英語教育の質的研究会

和泉敏之によるオンライン質的研究会です!

リンカーンプロジェクトはトランプの差し止め要求をばかにする

I've listened to this article and thought you could enjoy it too.

https://trinitymedia.ai/player/share/a615679aa9ac666a0359a665d339f8c3c8e5

 

The anti-Donald Trump group, The Lincoln Project, revealed last week that they got a cease and desist letter from campaign lawyers representing the former president.

 

Now, the organization is responding with another ad poking fun at the legal move.

「東京大学」の意味ーー歴史社会学的試論

東京大学」の意味ーー歴史社会学的試論

 

1. 序論

 2024年に東京大学における授業料値上げの問題が焦点化された。学内でデモ活動を行っていた者が警察に逮捕されるなど、この問題は深刻に世間に受け止められた。これまで東京大学という日本の最高学府はどのような「意味」を持ち、そしてたどってきたのか、その変遷を歴史社会学的に考察したい。

 

2. 方法

 ルーマンの『社会構造とゼマンティク』における意味の歴史社会学にみられる分析方法により、東京大学がどのような意味を持ってきたかを試論的に考察する。

 ここで用いるコミュニケーションの素材は日本における漫画本である。以下の作品を取り上げる。これらは東京大学を目標に受験勉強を行う学生たちが中心に描かれており、東京大学をゼマンティクの1つとして考えることのできる題材である。

東大一直線

ラブひな

ドラゴン桜

 これらの題材を社会構造と照合させて、その意味の変遷を探るのが本小論の方法論である。

 

3. 結果と考察

 (現在執筆中)

 

4. 結論(要更新)

 2020年代以降の東京大学の持ちうる意味について考える。東京大学が無料で公開しているオンライン講座(MOOCsなど)はどのような可能性を持ちうるか。

 そもそも論として若者の文化史を紐解く必要があるかもしれない。

 

 

参考文献(要更新)

高橋徹(2002)『意味の歴史社会学世界思想社

 

最高学府!!東京大学を目指すオススメ漫画5選!- マンガペディア (mangapedia.com)

(2024年8月19日に閲覧)

 

ヴィゴツキーのZPDに対するコミュニケーションサイドからの視座 

ヴィゴツキーのZPDに対するコミュニケーションサイドからの視座 

 和泉敏之 

 

学習者が1人では解決できない課題を他者と協同することにより解決の施しを行う際に、その学習者の発達レベルを少し超えたレベルの領域を、ヴィゴツキーはZPD(Zone of Proximal Development)と呼ぶ(Vygotky)。ただしこの領域は軽量測定が困難なため、不明瞭な概念と帰している。 

 

そこで、コミュニケーションサイドからこの領域について考えてみる。今回、人間の認知(心理のシステム)からコミュニケーションを考える関連性理論を援用する。この分野はもともと語用論におけるGriceを批判的に継承する形で展開した経緯がある。よって、言語を中心としたコミュニケーションから人間の思考や発達について考える際のヒントとなりうる。 

 

      ZPD  

     /  \  協同学習     

学習者の発達  学習者の発達  

 

従来のZPD観点について図式すると上記のようになる。 

一方、関連性理論によるコミュニケーション図式で考えると以下のようになる。 

 

 

学習者の心理システム 

           \           

            関連性の原理 ⇒ ZPDの構築         

           / 

学習者の心理システム     

 

関連性の原理とは、「人間の心理システムは発話に対して最適な関連性の期待をする」、「人間の心理システムはそれ自体関連性をバランスよく処理する特性を持つ」という内容である。これを踏まえて、複数の学習者が「学習のコミュニケーション」を行い、それが「学習のコミュニティ」を形成すると考えられる。そして、その心理システムと課題から相互作用を行った関連性の期待により、ZPDは変容しながら構築されると考えられる。 

 

つまり、人間の発達も(もちろん多くの心理学は発達を変容的な概念としてとらえてはいるが)本質のような概念を軸にはせず、構築主義的な現象としてとらえる価値観がここには存在する。その結果、心理システムの相互作用により構築されるZPDは「学習のコミュニケーション」を通じて、「学習のコミュニティ」を構築し、やがてそれらが「学習の社会」を形成していくものだと考えられる。 

 

さらに広い視点から考察を追加するために、ニクラス・ルーマンによる社会システム理論、パーソンズによる文化システム理論などと整合化させながら考察を行う必要がある。また、そもそもヴィゴツキーの社会文化的アプローチは、他者による自己の規定という命題が土台とされているが、これにはレヴィナスなどの現象学倫理学から知恵を借りる必要があるかもしれない。そもそも、文化概念について整理を包括的に行ってから、社会文化についての考察が待たれる可能性もある。 

 

参考文献 

Sperber. D. and Wilson. D. 1995. Relevance: communication and cognition. Blackwell. 

Vygotsky. L. 1986. Thought and Language. The MIT Press. 

コミュニケーションにおける社会哲学と認知語用論の接点

コミュニケーションにおける社会哲学と認知語用論の接点

                         和泉敏之

           

I 発表の動機

 ルーマンのコミュニケーション論と関連性理論の類似性を感じた。

 〈出発点〉拙著に対して、自身の意図しない感想(良くも悪くも)が起きた。

  ↓手紙などのコミュニケーションに対して、我々は何を語ることができるのか?

  ↓ 社会システムと心理システムをの関係性をさらに深掘りしてみては?

  ↓ 「意味」の概念についてもっと深く考察したい!

 ↓ChatGPTとの対話

私:

ありがとうございました。
ここからは私の仮説ですが、意味が選択を要請するとき、その選択は効率性の原則からなされると考えています。なぜなら、チューリングらも言うように、生物の基本生成には効率性が深く結びついているからです。これについてはどうお考えですか?

 

ChatGPT:

興味深い仮説ですね。意味の選択が効率性の原則に基づいて行われるという考え方には一理あります。以下にその理由を説明します。

1. **生物学的基盤**:チューリングの仮説に基づけば、生物の基本的な生成や進化には効率性が重要な役割を果たします。リソースの最適な利用、エネルギーの節約などが生存と繁殖に直結するため、効率的な選択が進化の過程で選ばれる傾向があります。この考え方を社会システムに適用すれば、社会的な意味の選択も効率性を考慮して行われると考えることができます。

2. **システム理論の視点**:ルーマンの社会システム理論でも、システムが環境との相互作用を通じて自己を維持するためには、複雑性を縮減し、効率的に情報を処理する必要があります。意味の選択は、このプロセスの一環として、システムの運営効率を高める方向で行われると考えることができます。

3. **経済的合理性**:社会システムの一部である経済システムでは、効率性は非常に重要な原則です。資源の配分や意思決定のプロセスでは、効率性が重要な基準となります。社会全体でも、限られたリソースを最適に利用するために、意味の選択が効率性に基づく可能性があります。

4. **コミュニケーションの効率性**:意味の選択はコミュニケーションの効率性にも関わります。情報を迅速かつ効果的に伝達し、理解されることが社会システムの機能にとって重要です。そのため、意味の選択が効率的に行われることで、コミュニケーションの質が向上し、社会システム全体の効率性が高まると考えられます。

総合すると、意味の選択が効率性の原則からなされるという仮説は、ルーマンの社会システム理論や生物学的進化の視点からも十分に支持されるものであると言えます。この視点からさらに深めていくことで、社会システムの運営やコミュニケーションの動態について新たな洞察が得られるかもしれません。

 

Ⅱ 発表の概要

1. はじめに

1.1. コミュニケーション

コミュニケーションについて様々な視点による考察を行う。1 つの理論のみに依拠するよりも、親和性の高い領域を結合させていることに本小論の意義がある。今回、社会哲学のルーマンの理論と人類学の背景を持つ認知語用論の理論を用いる。

コミュニケーションとは複合性の縮減のための選択である。その際、選択された可能性は意味として現実性と結合される。

1.2. 研究課題

なぜ選択される可能性とそうでないものがあるのか。

1.3. 方法

関連性理論によってルーマンのコミュニケーション理論を再読する。そのためには、ミクロなコミュニケーション概念についての再考が必要である。これは人間の認知メカニズムについての言及を手がかりとすることで解決を試みる。

1.4. 結果

関連性のある可能性が意味として現実性と統合される。

2. 関連性理論と社会システム理論

2.1. 関連性理論

・認知環境

 「認知環境とは、個人が精神的に表象したり、真実と受け入れたりすることのできる想定の集合体である

(Sperber. D. & Wilson. D. 1995, p. 46)。」

・関連性

「(1)コンテクストにおける認知への効果が大きいとき、その程度において、想定はそのコンテクストにおいて関連性がある。

(2)コンテクストにおける処理のために要求される労力が小さいとき、その程度において、想定はそのコンテクストにおいて関連性がある。(前掲書 p. 125)」

・関連性の原理 「コンテクストにおいて、認知効果を引き出す場合あるいはその場合のみにおいて、その想定は関連性があるという(前掲書 p. 122)。」

 「人間の認知は関連性の最大化に合わせて動く傾向がある(前掲書 p. 260)。」

2.2. 関連性理論と社会システム理論の接点

コミュニケーションにおいて、関連性の低い可能性は潜在性として存在し、消滅しているわけではない。関連性の高いものが顕在化され、コミュニケーションは接続されていく。このとき、関連性の高い可能性が意味として、現実性と統合される。これはルーマンのいう「期待」概念との整合性が見られる。

つまり、コミュニケーション(相互作用システム)は複合性の増大に抗して進んでいくことになる。複合性の増大と縮減の間にさらされたコミュニケーションは改めて、極めて不安定なものと言える。

以上を踏まえて、コミュニケーション・システムには関連性の原理が働いているとは考えられないだろうか。根拠として、人間の神経ニューロンも関係の強いもの同士がシナプスを形成し、様々な可能性が除去されることが挙げられる。心理システムは環境との相互浸透により、コミュニケーション・システム形成の手立てとなる。ルーマンは心理システムに対し神経は「環境」と言っているが、システムと環境が緩やかな影響を及ぼし合うことを考えれば、この考えはある程度妥当と言えると思われる。

3. おわりに

偏重的な意味理解を防ぐ必要がある。また、文化への鋭敏な感性が重要視される。なぜなら関連性の高い可能性を意味として理解する場合、他我に対して文化からかけ離れた可能性を顕在化させてしまうことは多々あるためである。この場合、意味理解は帝国主義的理解に陥ってしまう。

さらに心理システムについて研究を深めるために、脳の神経科学の知見などを取り入れることが今後の課題である。

参考文献

Sperber. D. & Wilson. D. 1995. Relevance: communication and cognition. Blackwell.

Wilson. D. & Sperber. D. 2012. Meaning and Relevance. Cambridge.

クリストフ・コッホ著、土谷尚嗣・小畑史哉訳(2014)『意識をめぐる冒険』岩波書店マッスイミーニ・トノーニ著、花本知子訳(2015)『意識はいつ生まれるのか』亜紀書房

ルーマン著、佐藤勉監訳(1993)『社会システム理論(上)(下)』恒星社厚生閣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Z 世代は幕末の志士か?

最近1998年頃から2009年頃までに生まれたいわゆる Z 世代と呼ばれている方々と交流を深めています。もちろん、 Z 世代と乱暴にして一括りにするのは良くないことですし、中にはそのように呼ばれることを嫌う方ももちろんいます。ですが、今回はあえてこのような年代の方々を Z 世代と呼ばせてください。

 

私がこの記事で述べたいことはただ一つ。

Z 世代は幕末の志士のようだ。

これだけです。

 

まず幕末の志士とはどんな存在であったか? 鎖国していた日本に突如黒船が押し寄せて、押し寄せて日本は開国派、あるいは尊王攘夷派に分かれます。

 

この時、尊王攘夷を中心とした若き俊英たちを幕末の志士というふうに捉えています。大人世代では予想もつかない、行動力と思考力で日本を圧倒していきます。好例は吉田寅次郎高杉晋作坂本龍馬西郷隆盛大久保利通桂小五郎伊藤俊輔などでしょう。彼らはダイナミックな思考と行動力により、日本の欧米列強からの植民地化を免れる結果をもたらしました。

 

翻って現在の日本。2020年からおそらく2022年まで続いた新型コロナ騒ぎは黒船来航と同様の衝撃を日本に与えたのかもしれません。そして休む前もなくAI の台頭です。世界をはじめ、日本も確実にターニングポイントを迎えております。

 

そんな中、新型コロナ騒ぎが落ち着いたぐらいから、先ほどの Z 世代の方々の活躍ぶりが目立つようになってきました。主に若くして起業をする人が多いのですが、この世代の特徴はアクティビストと呼ばれる活動家が多いのも特徴です。

 

それは幼少期に東日本大震災を経験し、それから日本は向上することもなく停滞時期が、ずっと続いています。2015年には新しい安保闘争のようなデモ活動も頻繁に行われました。そこに2020年からの新型コロナ騒ぎです。

 

普通ならおそらく多くの大人たちのようにうろたえるだけの反応しか取れないと思われますが、彼らは自ら行動し、社会を変容させようと日々奮闘しております。

 

これは正に若き幕末志士と似ているのではないでしょうか? 私は学問的に無価値とされている世代論をあえて勉強してきましたが、Z 世代は戦後の安保闘争あるいは全共闘とは異なる。行動趣向を持っているようです。

 

何より行動力が素晴らしい。考えてから行動するのではなく、行動しながら考える。そして暴力に訴えるのではなく、平和的に社会を変容させようと活動しています。

 

これをあえてどこかの歴史に例えるのとだとしたら、幕末志士ではないかと思わされました。

 

幕末志士たちはやがて明治維新を成功させ、日本を近代化に導いていきました。

 

私たちおじさん世代はZ 世代の若いみずみずしい感性を妨害しないことだと強く考えています。

 

この分断が激しい世界と日本ですが、その中にもZ 世代はオンラインをうまく活用しながら、自分たちの共同体を作り上げている、そう感じています。

 

是非これからもZ 世代の活躍をもうすぐ40歳を迎えるおじさんは見守っていきたいと思います。歴史と文化を作るのはいつの時代だって若い人たちなんですから。

英語のゲーム(9):未来表現

デートに誘うゲーム

 

未来表現の be going to は決定された未来を表現します。一方、will は即時的な意思を表現します。 この使い分けも未来表現を学習する際に重要なポイントです。今回は「デートに誘う」というゲーム を紹介します。

 

このゲームは同性同士の学習者のペアー行うと良いでしょう。異性同士では心理 的なストレスになってしまいます。学習者AがパートナーBに明日の予定を尋ねます。学習者B には、じらすように指示しておきます。「明日~する予定です。一緒にどうですか? (I'm going to ... How about you?) と聞き、相手は気乗りするまでNO.と言います。誘う側が、良い提案をするまで、誘 われる側は断ります。上手くデートに誘えればコミュニケーションの完了です。しかし、最終的にはどんな対話の展開になろうとも2人でデートの決定に集約させていくように促しておきます。

 

こうして、学習者は将来、相手を気遣いながら、デートなどの交渉を行う力を養えます。事前に生徒指導などで恋人と別れた生徒がいる場合は注意が必要です。友人とどこかに行く予定を立てるだけでもいいでしょう。私見ですが、教室内で何かトラブルが起きる時は悪ふざけが始まりだと思われます。生徒に対してこれでもかという気遣いを持って、そう、教師は他者への眼差しを持ちながら指導にあたりたいものです。