英語教育の質的研究会

和泉敏之による英語教育に関するコモンです。

2024年、今年の収穫

2024年今年の収穫

 

2024年も終わろうとしています。今年は現段階で139冊の本や論文を読みまし た。その中で特に印象的だった3冊を今年の収穫の特に価値のあるものとして選びました。

 

文系のためのめっちゃやさしい量子論

量子論はこれからますます研究が進む分野だと思います。特に個人的には関連性理論などにおける表象という概念、あるいは現象との適合性が気になるところです。私個人では実証研究など装置の関係などがあり不可能ですので、現在生成AI と会話をしながら、思慮を深めています。この分野については、来年も継続して取りかかりたいと思います。

 

塙保己一

去年目の病気により存在を知った私の師匠に関する伝記です。注目すべきポイントは確かに志は高い先生でしたが、必ずしも使命感のようなものは持っていなかったことです。自分の本来あるべき姿をきちんと見定め、その中から可能性のあるものを選出していって残った結果が、盲目ながら辞書の編纂という偉業に繋がったのだと思います。世界を変えてやるという思想は若いうちは持っても構わないかもしれませんが、いつまでたってもこの価値観に囚われていては、自分を苦しめるだけだというのもよくわかりました。

 

ニクラスルーマン入門 

ふとしたきっかけで、この入門書の存在を知りました。これまでのどのルーマンの入門書のクオリティーよりも高く、そして具体的ではなくても抽象的であり。ながらもexample がわかりやすく、ルーマーの理解が進む。あるいは今まで勉強してきた。ルーマンの理解が統合される経験をしました。本書のおかげで12月23日にリリースされるセマンティークとサブカルチャーの関係について、つたなくも論じたレポートに行き着きました。

 

年を重ねるごとに、病が体を叫ばせるようになり、来年はさらに読書の量は減ると思います。特に最近YouTube 動画に勉強のシフトが移行していることもあり、来年は100冊を超える読書量になるかどうかは不明です。しかし、人間の勉強学びの基本は本を読むことだという姿勢は変えず、死ぬまで学び続けたいと思います。私・和泉敏之は最後の最後まで学び続けた人だという記憶を残したいと考えるようにもなってきました。どこかで聞いた言葉ですが、記録よりも記憶に残りたい。多くの人ではなく、ともいろんな人に私のことを語り継いでいただきたい。そう思うに至りました。来年もどうかよろしくお願いいたします。

 

追記

先日私の師匠の一人である僧侶の方が亡くなりました。実に1996年からおよそ30年にわたりお世話になりました。ここで改めて謹んで魂が安らかであることをお祈りいたします。