和泉敏之の質的研究会

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小野信二・門脇禎二(1949)『チャート式シリーズ・新日本史』数研出版

大学受験の強い味方である「チャート式シリーズ」による「日本史」を読みました。ただ、この書物はいとこに譲り受けたもので、昭和52年の発刊となっています。私は高校のときに地理Bと世界史Aを履修し、今更ながら日本史の全体像を復習しています。現代のイデオロギー、特に教科書問題などのようなイデオロギーが弱いと考えて、古いのですが本書を読み終えました。

 

一点気になったのは、日清戦争に至る経緯の説明が不十分だと感じたことです。明治初期の国内強化のための軍拡は、やがて対外的な理由に変わった、という趣旨の説明しかされておらず、どうして清国との戦争に陥ったのかが、よく理解できませんでした。やはりそこはわかりやすさを重視する参考書の限界でしょう。日本史の流れは掴んだところで、さらに専門的な書物を読む必要がありそうです。現代の世の中で、日本が戦争に荷担しない方法を考える一助にするためにも、さらに勉強を重ねたいと思います。