和泉敏之の質的研究会

和泉敏之によるオンライン質的研究会です!

小中校の英語ゲーム・アイディア集(3)

  1. はじめに

本日は一般動詞の疑問形の基本的な生成についてとりあげます。ここからは私が授業現場で活用していた指導方法を紹介します。完全ではありませんが、ご参照ください。まず、一般動詞の肯定文と疑問文をくらべます。たとえば、「I have a pet.」とIをyouに変換させた「Do you have a pet?」です。ここで助動詞doが先頭に現れていることに気づかせます。私はこれを「王様のdo / does」と呼んでいます。一般動詞、つまりNP1 notNP2の構造のときには「王様が一般動詞のうしろに構えている」と伝えます。これが疑問文という「感情表現」の際には前に現れる、と説明します。

 

また、同じ時期に三単元の一般動詞も指導しておきます。たとえば、「He goes shopping.」を疑問文に変えると、「Does he go shopping?」です。N(主部)がhe, she, it(もの)で表現できる場合、王様は「does」になると説きます。そして疑問文の際には、王様doesは先頭に現れるのですが、実は三単元の「(e)s」は王様「does」の「es」が隠れていたと説明します。よって、does以下の一般動詞は「(e)s」が外れて「原形」になると解説します。

 

こうしておけば、たとえば、穴埋めのドリル「( )she play the piano?」で生徒が「is」などと間違えた場合、「動詞はどれ?」→「play」、「王様がいるかな?」「sheはpianoじゃないから?」→「いる」、「sheのときの王様は?」→「...does」というように解答できます。

 

  1. 一般動詞の疑問形のゲーム
    • 自己分析・他己分析

まず、このゲームは比較的生徒の内面を表現する場合があるため、グループ決めなどは慎重に行いたいものです。英語の基本である動詞を活用すれば、深い次元にまで英語を使用できることに気づかせたいですが、留意が必要となります。まず、ワークシートに1日の日課表を作らせます。ある一日をとりあげて、朝は~する、昼は~する、夜は~する、といった具合に一般動詞を活用できます。そしてペアあるいはグループになり、それぞれの日課を説明します。オンラインでも実施はできます。そして、一歩踏み込んで尋ねたいことをそれぞれ考えさせます。たとえば、生徒A「I run after dinner.」→生徒B「Do you run near your house?」、生徒A「I eat breakfast at seven every day.」→生徒B「Do you eat rice?」...などなど、具体的に聞きたいことを相手に引き出させます。

 

すると、生徒は自分でも気づかなかった視点から具体的な説明をするため、自分を分析することにつながります。そして自分でそれまでに気づかなかった「新たな自分のかけら」について、「日本語」でふりかえります。思考をやや深く使うため、母語を使用します。これは将来の進学や就職の面接などを少し念頭に置いています。英語のゲームをうまく利用すれば、「探究」や「キャリア教育」にもつながるという一例です。